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📗第13回 複合算について学ぼう

皆さま、こんにちは!自宅CAN.COMの管理人のジタッピーです。第13回目となる今回は複合算について学んでいきますが、複合算は既に第4回の「電卓のメモリ機能を学ぼう」でも一度触れています。

そのことからも分かるように、複合算では電卓のメモリ機能を用いて計算をしていくことになりますが、メモリ機能の詳細については既に学習済みのため省略し、ここでは複合算の端数処理と計算問題をメインに学んでいきます。もし、メモリ機能についてよく分からなかったという方は、第4回の「電卓のメモリ機能を学ぼう」を復習してから今回の講座を受講するようにしましょう。それでは今回も頑張っていきましょう。

【今回の講座内容】
・複合算の概要
・複合算の端数処理
・練習しよう

📖複合算の概要

では、最初に複合算とは何かという点から説明していきますが、下記の例のように、加算(足し算)、減算(引き算)、乗算(掛け算)、除算(割り算)のいわゆる四則演算が組み合わさった計算のことをいいます。

仮に電卓を使用しないで計算していく場合には、最初に一つ目の式を計算し、その答えを用紙にメモし、次に二つ目の式を計算し、またその答えを用紙にメモし・・・のように計算していくか思います。確かにその方法でも計算していくことは可能ですが、電卓検定では、その方法は非効率的であり、時間のロスとなります。最初は「M」の機能を用いて計算することに抵抗もあるかもしれませんが、慣れてしまえば圧倒的に速く計算できます。おそらく両手を器用に使い、利き腕でない方で文字を書き、メモをしながら計算したとしても、メモリ機能を用いたほうが速いと思います。

私も最初の頃は、紙にメモして計算したほうが速いのではと思いましたが、紙に書いた数字を再度見て計算する手間、さらには書き間違えや押し間違えを防ぐ為に要する一瞬の見直す時間は、やはり時間のロスとなり、その違いを実感しました。3級レベルではあれば、紙にメモしながら計算していく方法でもなんとかなる可能性もありますが、上級を目指す方は、必ず「M」の機能を用いて計算しましょう。

また、複合算では全ての計算において端数が出た際に、問題用紙の上部に記載されている(注意)に準じて処理していかなければなりません。なお、この端数の処理方法については、後ほど説明しますが、乗算、除算の時とは異なるため、しっかりと理解しておく必要があります。

あと、複合算は級(レベル)により、計算する桁数が異なり、3級は1題10桁以内、2級は1題11桁以内、1級では1題12桁以内でそれぞれ20題が出題されます。端数処理の方法についても、2級・3級では整数未満を切捨てて計算を行うのに対し、1級では小数第3位未満を切捨てて計算を行います。ちなみに制限時間は10分となっています。

複合算の概要については以上となります。では、次に複合算の端数処理の方法について説明していきます。

📖複合算の端数処理

乗算・除算においては四捨五入で端数処理して計算しましたが、複合算の場合は切り捨てる方法で端数処理を行っていきます。では先に2級及び3級に記載されている(注意)の文言を確認してみましょう。

≪2級・3級の場合≫

(注意)
整数未満の端数が出たときは切り捨てること。ただし、端数処理は1題の解答について行うのではなく、1計算ごとに行うこと

※第36回電卓計算能力検定試験2級および3級複合算より引用

まず、最初の文の出だしに「整数未満の端数が出たとき」とありますが、これは別な言い方をすると「小数が出たとき」となります。つまりは小数が出たときは切り捨てるということになり、計算結果が小数になることがないことを意味しています。

ちなみにこれを電卓で設定した場合には、ラウンドセレクターは切捨てを意味する「CUT」、小数点セレクターは小数未満を切り捨てて、小数を表示させる必要はないので「0」となります。

次の「ただし、端数処理は1題の解答について行うのではなく、1計算ごとに行うこと」については、複合算においては、二つの式が組み合わさっていることから、それぞれの式の中で端数が発生する場合があり、その際の処理方法についての説明です。なお、ここでいう1計算ごとというのは、その二つの式それぞれのことを意味しています。つまり、解答欄に書く最終的な答えに対して端数処理を行うという意味ではなく、その過程において、端数処理を行いながら計算を行うという意味になり、例を挙げると以下のようになります。

複合算の端数処理の例

※この例では分かりやすいように前方から順に計算しています

出典:JPN-WORLD.COM
https://jpn-world.com/sikaku/sikakuouenhen/dentaku12.html

≪1級の場合≫
当講座では扱ってはいませんが、ついでに1級の場合も見てみましょう。1級の場合には、「整数未満の端数・・・」の部分が「小数第3位未満・・・」に変わるだけなので、2級・3級の端数処理の方法がしっかりと理解できていれば難しくはありません。

電卓の設定も、ラウンドセレクターは切捨てを意味する「CUT」、小数点セレクターは小数第3位未満を切り捨てて、小数第3位まで表示させる必要があるので「3」を設定するだけで、その他の計算方法に違いはありません。

ただ、一つだけ注意が必要なのが、1級の場合は桁数が多く、ここで紹介している方法で計算した場合、一部の電卓でエラーが起きることがあります。なお、エラーが起きる電卓かどうかについては下記の問題でチェックすることができます。

[エラーチェック用のテスト問題] (500,000,000,000+1)-(1+1)

このテスト問題の解答は499,999,999,999となりますが、エラーが出る電卓ではEと0が表示されます。原因は不明ですが、スマートフォンやPCの電卓では問題ないことから電卓の仕様の問題かと思われます。

ただ、通常、1級レベルで499,999,999,999以上が答えになる問題は1~3問程度なので、仮に該当する電卓であっても、一旦、その部分の計算を飛ばし、後からスタンダードの方法で計算する方法もあります。なお、練習を重ねていくと、問題の式をみただけで解答が大きくなりそうなのかの判断もできるようになります。

級(レベル)ごとの端数処理の説明は以上となります。ここでは文言の意味を解説する為に細かく分けて説明をしましたが、簡単にいうと、複合算の問題に入る直前にラウンドセレクターと小数点セレクターを予め設定し、20題全てその状態で計算するだけなので、複合算の場合は、これとこれを設定するんだなという感じで覚えるだけも問題はありません。

📖練習しよう

では、ここからは練習をしながらさらに理解を深めていきます。さっそくですが、下記の練習問題に挑戦してみましょう。第4回の「電卓のメモリ機能を学ぼう」と、上記で説明した端数処理の方法が理解できていれば、すぐに出来るかと思います。


【練習問題A】(制限時間2分30秒)
※小数点とカンマはパソコンでも見やすいように全角にしています。

電卓検定の複合算の練習問題A(自宅で受講!電卓検定講座)

出典:JPN-WORLD.COM
https://jpn-world.com/sikaku/sikakuouenhen/dentaku12.html

  

それでは時間になりましたが、皆さま出来ましたでしょうか。では、一つ一つ解説しながら、さっそく答え合わせをしていきます。

【[1]の解説】
まず、第4回の「電卓のメモリ機能を学ぼう」でも説明しましたが、当講座で複合算を計算する場合は、どんなときでも後ろの式から先に計算をしていきます。従って[1]においては先に311×1,697=527,767を計算し、この結果を「M+」を押下して電卓内に記憶させ、次に前方の(54,677,168÷799)=68,432を計算します。次に[1]の問題では二つの式を結んでいるのが足し算なので、68,432と表示されたままの状態で「+」を押し、電卓に記憶させておいた最初の式の答えを呼び出すために「MR」を押します。その結果、68,432+527,767という式が完成し、最後に「=」を押して計算すると596,199となり、これが正解となります。

【[2]の解説】
続いて[2]の問題ですが、こちらも同様に後ろの式である(1,289+643)=1,932を計算し、その結果を「M+」で記憶させます。次に前方の(811+1,457)=2,268を計算し、今回は二つの式を結んでいるのが掛け算なので、2,268と表示された状態で「×」を押し、電卓に記憶させていた1,932「MR」機能を使って呼び起こします。そうすると、2,268×1,932という式が出来上がりので、あとは「=」を押すだけです。正解は4,381,776です。

【[3]の解説】
[3]の問題も後ろの式である(1,414,236÷26,543)=53を計算し、その結果を「M+」で電卓に記憶させ、次に前方の(4,318,982÷58)=74,465を計算します。そして、今回の計算問題では二つの式を結んでいるのが割り算であるため、74,465と表示されたままの状態で「÷」を押し、電卓に記憶させていた53「MR」機能を使って呼び起こします。その結果、74,465×53という式が完成し、あとは「=」を押すだけです。正解は1,405です。

【[4]の解説】
[4]の問題も同様に後ろの式である479,175÷75=6,389を計算し、その結果を「M+」で記憶させ、次に前方の6,335×28.2=178,647を計算します。そして、今回の計算問題では二つの式を結んでいるのが引き算であるので、178,647と表示されたままの状態で「-」を押し、電卓に記憶させていた6,389「MR」機能を使って呼び起こします。その結果、178,647-6,389という式が出来上がるので、あとは「=」を押すだけです。正解は172,258となります。

【[5]の解説】
[5]の問題も例外なく後ろの式である(48.7×79)=3,847を計算し、その結果を「M+」で記憶させ、次に前方の841,326×196=164,899,896を計算します。そして、今回の問題では二つの式を結んでいるのが割り算であるため、164,899,896と表示されたままの状態で「÷」を押し、電卓に記憶させていた3,847「MR」機能を使って呼び起こします。そうすると、164,899,896÷3,847という式が完成するので、あとは「=」を押すだけです。正解は42,864です。

以上のように[1]から「5」の練習問題について解説してきましたが、二つを結ぶ式を結んでいる部分が「+」「×」「÷」「-」と異なっていたとしても常に後ろの式から計算しているので、特に迷うこともなかったのでと思います。つまり、常に後ろから計算するという流れを身に付けてさえしまえば、複合算は非常に簡単に思えるはずです。

●複合算のポイント

どんな場合でも、後ろの式から計算し、それを記憶させた後に前方の式を計算を行う。そして、最後に二つの式を結ぶ部分を計算して答えを導く。


それでは、以上のことを踏まえ、下記の練習問題(3級レベル)にもチャレンジしてみましょう。

【練習問題B】(制限時間7分30秒) 
※小数点とカンマはパソコンでも見やすいように全角にしています。

電卓検定の複合算の練習問題B(自宅で受講!電卓検定講座)

出典:JPN-WORLD.COM
https://jpn-world.com/sikaku/sikakuouenhen/dentaku12.html

いかがでしたでしょうか。制限時間内に15題の全てを解答することが出来ましたでしょうか。解答は当ページの一番下にありますが、これが全て正解出来ていれば、複合算について心配することはないかと思います。

それでは、今回の「複合算について学ぼう」はこれで終了です。次回は検定形式の複合算の問題にチャレンジとなりますので、不安がある方は次回に備え、しっかりと復習しておきましょう!

[記事公開日:2020年7月25日]